ジョン・セオドア・アードリー・ケニー[1](John Theodore Eardley Kenney、1911年5月16日-1972年12月)は、汽車のえほんの4代目画家。
概要[]
ジョン・ケニーは、1911年5月16日にイギリスのレスターで生まれました。レスター・カレッジ・オブ・アートで美術を学び、卒業後は地元の商業デザイン会社のJ・E・スレイター(J. E. Slater)で働きました。
第二次世界大戦中、ケニーは第121軽対空連隊に所属していました。従軍画家ではありませんでしたが、1944年のD-デイ上陸作戦とそれに続く連合軍の勝利を記録した戦争画を描きました[2]。
戦争が終結すると、ケニーはレスターに戻り、J・E・スレイターで仕事を再開しました。そこで、後に妻となるペギーに出会いました。
商業デザイナーと並行して、ケニーは挿絵画家としても活躍し始めていました。1954年には2人の子供に向けた『
1957年、ケニーは商業デザイナーの仕事を辞め、フリーのアーティストになりました。病気を患っていたフランクリン(エドモンド社の創業者)は、『Hunter Hawk, Skyway Detective』という冒険小説シリーズや『8だいの機関車』の挿絵を依頼しました。また、レスターシャーにあるレディバード・ブックス社の『Adventure from History』という伝記小説シリーズの内の27冊を担当しました[3][4]。ケニーは史実に基づいた挿絵を描くために資料収集していたので、各本に24ページずつある挿絵を描くには時間を要しました。
ケニーは『汽車のえほん』の内6巻のみの担当ですが、人物キャラクターに個性を与えるなどの多大な貢献をしました。また、ドナルドとダグラス、デイジー、ディーゼル、ダンカンなどの新登場の機関車たちも描きました。
しかし、眼疾患により視力が弱っていたケニーは、繊細な技術を要する『汽車のえほん』シリーズの挿絵画家を降板することを決意し、第17巻『ゆうかんな機関車』が最終作となりました。その後、片目を失明してしまいますが、情熱を注いでいた馬の絵画を描き続けました。
1972年、ケニーが61歳で亡くなると、彼の絵画の展覧会がシカゴで開催されました。
近年、ケニーはグリーン・プラークにノミネートされていて[5]、2019年6月13日にレスターシャーで有名な建物の1つとして1949年から1958年まで住んでいた家にグリーン・プラークが設置されました[6][7]。
挿絵[]
- 8だいの機関車(1957年)
- ダックとディーゼル機関車(1958年)
- 小さなふるい機関車(1959年)
- ふたごの機関車(1960年)
- 機関車トーマスのしっぱい(1961年)
- ゆうかんな機関車(1962年)
- Railway Map of the Island of Sodor(1958年)
メモ[]
- 汽車のえほんではジョン・ケニー表記ですが、原画展図録では原書に準じてジョン・T・ケニー表記です。
- ケニーは前任者のレジナルド・ダルビーと同じレスター出身で、レスター・カレッジ・オブ・アートを卒業しました。
- 第8巻第1話の4枚目の挿絵には、汽車のえほんで唯一の顔のあるタンク車が登場しています。
- 第17巻第2話の6枚目の挿絵には、ナンバープレート“JTK 62”を付けた青い自動車が登場しています。これは、ケニーのイニシャルと本の発行年に由来しています。
- 1956年には、ジョイス・B・クレッグ(Joyce B. Clegg)著の『
Tootles the Taxi 』の挿絵を担当していて、顔の付いた自動車たちは翌年から担当する『汽車のえほん』に通じるものがあります[8]。
画像[]
脚注[]
- ↑ ジョン・T・ケニーとも。
- ↑ “John Theodore Kenney”. Kibworth Village.
- ↑ 『The Story of Nelson』『William the Conqueror』『Charles Dickens』『Florence Nightingale』『The First Queen Elizabeth』『King Alfred the Great』など
- ↑ “An afternoon with John Kenney”. Ladybird fly away home.
- ↑ “Finalists from the last round of nominations”. Leicestershire County Council.
- ↑ Honour for Thomas the Tank Engine illustrator”. Leicestershire County Council.
- ↑ “Thomas the Tank Engine illustrator honoured”. BBC News.
- ↑ “Tootling About”. The Wee Web.
外部リンク[]
- John T Kenney(SiF)