トップハム・ハット卿は、絵本シリーズ『汽車のえほん』およびそのテレビシリーズ『きかんしゃトーマス』におけるソドー島の鉄道局長。
基本情報[]
- 原作初登場-1巻「3だいの機関車」3話「なさけないヘンリー」
- 人形劇初登場-1巻3話「でてこいヘンリー」
- この時は怠け者でいい加減なのにもかかわらず機関車に厳しい人物として描かれ、今とは設定が違っている。
- 英国吹き替え- キース・ウィッカム
- 米国吹き替え- ケリー・シェール
- 日本吹き替え- 宮内幸平(第1-4シーズン)→青野武(第5-8シーズン。1995年の宮内の死去に伴い変更)→納谷六朗(第9シーズンから、放送局の変更に伴い)
- BGM-太ったイメージの、ゆったり歩く曲調。場面転換用の短いブリッジのテイクもある。
名前の変遷[]
最初期の原作では鉄道のモデルが4大私鉄(ちなみにトーマスからトービーまではLNERがモデル)の時期だったので「ふとっちょのじゅうやく」(Fat Director)と訳されていたが、3巻「赤い機関車ジェームズ」の時に国有化(1948年)になり局長「ふとっちょのきょくちょう」(Fat Controller 直訳:[デブの指揮官)に役職名が変わる。それは和訳された際、注記が入れられている。
原作6巻「みどりの機関車ヘンリー」の前書きで「「サー・トッパム・ハット」(Sir TopHam Hatt 直訳:山高帽卿)の名前が初登場した。しかし人形劇では局長の名は使われず(テレビ絵本では使われている)、イギリス版人形劇では絵本と同じ「ふとっちょ…」が使われ、アメリカでは「サー・トップハム・ハット」を使われた。日本語版はアメリカ版をベースにしたので、「トップハム・ハット卿」もしくは「ハット卿」となっている。
絵本と人形劇共通の説明[]
- 若い頃に鉄道技師としてソドー島へ来て、その後、ソドー鉄道の局長となった。黒いシルクハットがトレードマーク。優しいが、仕事には厳しく、彼の大目玉は誰からも恐れられている。若いころは髪の毛がたくさんあったと推定される場面もある。
- 家族には妻のジェーン、母(人形劇のみ)、孫のスティーブン(原作はステファンと訳される)とブリジットがいる。
- 高山鉄道(スカーロイ鉄道)の経営は、原作ではサー・ハンドル・ブラウンとほっそりじゅうやくが担当しているが、人形劇では第1~8シーズンまでをハット卿が経営していた。第9シーズンからはミスター・パーシバルに移ったが、ときおり高山鉄道にやってきているので高山鉄道のキャラクターたちとの関係は続いていると推測される。
- 自分の専用車を所有している。絵本シリーズとテレビシリーズ第1~4シーズンまでは黄色のセダンに乗っていて、第5シーズン以降は青のセダンに乗るようになった。
汽車のえほん[]
詳細は汽車のえほんを参照
3人の局長が登場。3人は直系の親子で、まず、大西部鉄道のエンジニアであった初代(1888年-1956年)が出向でソドー島に赴任し、路線の設計・建設を行いソドー島の鉄道の初代重役に就任した。その後、初代の死去により2代目チャールズ(1914年-1997年)が後任を引き継ぎ、彼の手によりちんまり鉄道が共同建設される。そして、3代目のスティーブン(1940年-)は初代の孫で子どもの姿で初登場し、後に成人し3代目局長(1984年着任)として登場する。分割民営化後の状況は、執筆が中断されたので定かではない。
きかんしゃトーマス[]
詳細はきかんしゃトーマスを参照
- 時代設定が曖昧に作られているので、絵本のような世代交代はない。
- 若い頃は車の運転が下手で、蒸気トラックのエリザベスからトラックの運転を学んだりした。
- ソドー島の再開発を推し進め、多くの産業遺構を観光地として商品化に成功するなど、現在のハット卿は、積極的かつ優秀な経営者となっている。
- 一時期、機関車たちに理解を見せていたが、いつの間にか定時運行至上主義者になってしまい「お前は、混乱と遅れをまねいてる」が口癖になった。第9シーズンでも同じことをいうが、翻訳者が変更となったので「君のせいで列車に遅れが出たぞ。」「君のしたことでとても大変なことになった」とセリフが変わっている。「みんなあつまれ!しゅっぱつしんこう」では、放送局が変わってから久しぶりに「混乱と遅れを招いた」と言った。
- 服装は中に黄色いチョッキを着たタキシードにシルクハット姿での登場が多いが(整備士の制服を着用し、自ら運転室に乗り込み不調のヘンリーの状態を見たこともあった)、製作体制が変更以降はパジャマや水着であったり、ハロウィンのときなどは仮装した姿を見せるようになった。
- 第7シーズンで、ペットにネコを飼っていたのだが、それ以外のシリーズでは登場していない。
- 第1シーズンから第8シーズンまでは機関車たちを「お前」や「君」と両方の呼び方で呼んでいたが、翻訳者が変わった第9シーズンからは、機関車たちの呼び方は「君」だけになった。
- 第1シーズンから第5シーズンまでは眉毛が存在したが、第6シーズンの途中から第11シーズンでは眉毛が消えた。消えた眉毛はCG化した第12シーズンから再び付け加えられた。
- 第13シーズンから彼の弟であるロウハム・ハット卿が登場。その弟を悩みの種のように思っている。
ハット卿の秘密[]
- 肩書き(役職)の謎、原作では当初私鉄という設定だったが、イギリス国鉄の支局へと設定が変わったので、肩書きが重役から局長へと変わった。人形劇ではその設定を明確に描かず、単にハット卿の鉄道となり、局長の呼び名も使用されていない。
- 鉄道の本社が局舎(原作5巻3話や12巻2話では"Controller's Office"「きょくちょうしつ」)、すなわちハット卿の「わしのオフィース」の所在地の謎、原作ではティッドマウスにあるが、人形劇では設定が変更され、ナップフォード駅付近に描かれている。しかし機関車たちの塒はティッドマウス機関庫と呼ばれていて、そこにパジャマ姿のハット卿が現れることがあるのでティッドマウス付近に「わしのオフィース」があるのではないかとも推測できる。(実際に、「ゴードンみぞにはまる」や「ダックしごとをもらう」では「わしのオフィース」らしき場所で、ティッドマウス機関庫での事件を目撃している)
- 原作では前述の通り3人のハット卿がいる。時間の経過と共にハット卿も老い死去するが、人形劇でのハット卿はいまだ健在である。
- ハット卿は定時運行主義者で仕事に厳しい反面、穏和で優しい人柄なのだが、事故や失態を起こした機関車に対して、いい加減な解釈をしたりするので、ときおり話の前後で理論が矛盾することがある。時として信号士の職務怠慢(居眠り、ポイント転換誤り)や保線区の整備不良、天災、貨車たちの悪戯が原因でも、人員ミスや貨車の悪行は棚上げして機関車を叱ることも多い。
例としては- 貨車に押されてオーバーランしたり脱線したトーマスやオリバーを「貨車は悪戯が好きだから」の一言で片づける。しかしほぼ同じ事例で床屋に突っ込んだダックに対しては、床屋の店主に「ダックは恐ろしい大事故を防いでくれた」「危機一髪だったんだ」というあまりにも強引かつ理不尽な言い訳をしており、当のダックにも怒ることなく「修理が終わったら帰ってこい」と話している。そして貨車に対しては何も叱らない。
- レールが滑りやすくなっており、信号所へ突っ込んでしまったドナルドを批判。
- 復讐の念もこもっていたが、勢いでブレーキ車を破壊してしまったダグラスを批判するが、エドワードの「ダグラスはジェームズの分まで頑張ったんですよ?」という一言で急に態度を覆して叱るのをやめる。
- ゴードンがポイント転換ミスで支線に入ってしまった結果速度超過で脱線、ポイント転換ミスは棚上げしゴードンの速度超過を批判。
- ゴードンの機関室の中でゴードンのブレーキが故障しているのを目の前で見ていたにも関わらず駅の壁に突撃したゴードンを批判している、どうみても事故に巻き込まれて(人形劇としては珍しく)自身が怪我をした事への八つ当たりにしか見えない。
- ディーゼルに至っては「最初から信用していなかったから送り返してやった」という台詞があるのに、その後「あいつしかいなかったんだ」とディーゼルを助っ人として呼んではトラブルが起き、送り返すという事象が発生している。
等が挙げられる。
- また、年をとった保線社員の代わりとして新型機械を導入するエピソードがあるのだが、ハット卿が導入した新型機械が原因で落石事故が起き「やはり機械よりも人にやってもらった方がよい」と自己解決させるという、なんとも虫のよい一面がある。
- そのほかにも機関車が事故を起こしても、それを即座に現状回復できる底知れない財力がある。