日本での翻訳・出版の経緯
1965年1月から1967年7月まで、オックスフォード大学東洋研究学部 日本研究科講師兼留学生として、清水周裕は家族と一緒にイギリスに在住していました[2]。オックスフォードの本屋の店先で『The Railway Series』を見つけ、それ以来親子[+ 8]で愛読していました[1]。
時を同じくして桑原三郎も1965年4月から翌年2月まで、イギリスに留学していました[2]。桑原は時々、清水の家庭に招かれて食事を共にしていたようです[3]。
1972年4月から7年間、清水は桑原の依頼で、慶應義塾幼稚舎で英語を教えました。この時期に、清水は桑原に『The Railway Series』の共訳を提案したようです。桑原の快諾とポプラ社の協力、チャールズ・イー・タトル商会の翻訳権仲介を得て、翻訳作業が始まり[2]、1973年11月10日[4]に『汽車のえほん』として出版されました。
また黒岩源雄による鉄道用語についての監修を得た[1]ことで、英米で単語の相違が激しかった鉄道用語の翻訳が「はつらいしんごうき(発雷信号機)」「かんしょうき(緩衝器)」などと正しく訳されています。
旧版は、2001年頃[5][6]に品切重版未定となりました。
2005年3月には、「原作出版60周年」を記念して、大判化、キャラクター名[+ 9]や文章の修正[+ 10]などの“リニューアル”が行われた新装版が刊行を開始し[7]、翌年1月までに15巻が出版されました。なお、当初は15巻以降も刊行予定[8]でしたが中止されました。
2010年12月には、全26巻がミニ新装版として発売されました。
2013年には、日本出版40周年を記念して全26巻を1冊にした『汽車のえほんコレクション』が発売されました。
刊行リスト
- 3だいの機関車(1973年11月10日)
- 機関車トーマス(1973年11月10日)
- 赤い機関車ジェームス(1973年11月10日)
- がんばれ機関車トーマス(1973年12月10日)
- やっかいな機関車(1973年12月10日)
- みどりの機関車ヘンリー(1973年12月10日)
- 機関車トビーのかつやく(1974年4月)
- 大きな機関車ゴードン(1974年4月)
- 青い機関車エドワード(1974年4月)
- 4だいの小さな機関車(1974年7月)
- ちびっこ機関車パーシー(1974年7月)
- 8だいの機関車(1974年8月)
- ダックとディーゼル機関車(1974年8月)
- 小さなふるい機関車(1974年11月)
- ふたごの機関車(1974年11月)
- 機関車トーマスのしっぱい(1980年8月)
- ゆうかんな機関車(1980年8月)
- がんばりやの機関車(1980年9月)
- 山にのぼる機関車(1980年9月)
- 100さいの機関車(1980年10月)
- 大きな機関車たち(1980年10月)
- 小さな機関車たち(1980年11月)
- 機関車のぼうけん(1980年11月)
- 機関車オリバー(1980年12月)
- きえた機関車(1981年1月)
- わんぱく機関車(1981年2月)
脚注
- 注釈
- ↑ 1.0 1.1 第27巻~第42巻、その他書籍。いずれも日本未発売。
- ↑ 兄・ウィルバートとの共著『The Island of Sodor: Its People, History and Railways』。日本未発売。
- ↑ 初版・1945年~1950年出版の『3だいの機関車』。1950年にレジナルド・ダルビーの絵に差し替え。
- ↑ 初版・1946年~1949年出版の『機関車トーマス』。1949年にレジナルド・ダルビーの絵に差し替え。
- ↑ 桑原三郎が「訳者紹介」で謝辞を述べているのみで、ノンクレジット。
- ↑ 1945年~1967年。ニコラス・ケイ社と合併して、ケイ&ウォード社に移管。
- ↑ 1948年~1989年。ウィリアム・ハイネマン社に移管。日本語版の版権でも確認できます。
- ↑ 清水周英、1963年11月14日 生まれ。慶應義塾大学ラグビー部でスタンドオフとして活躍した選手。1985年のラグビー日本選手権でトヨタ自動車を破って優勝しました。
- ↑ ジェームズ→ジェームス、トービー→トビー、テランス→テレンス、スカーローイー→スカーロイ、リーニアス→レニアス、サー・ハンドル→サー・ハンデルなど。
- ↑ 本文が大幅に見直されられている他、題名が漢数字から算用数字に変更されました。三だいの機関車→3だいの機関車、四だいの小さな機関車→4だいの小さな機関車、八だいの機関車→8だいの機関車など。
- 出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 旧版『ふたごの機関車』「訳者紹介」
- ↑ 2.0 2.1 2.2 桑原・清水両先生の『汽車のえほん』翻訳の真相・補遺
- ↑ 桑原・清水両先生の『汽車のえほん』翻訳の真相
- ↑ ポプラ社 2013年版『きかんしゃトーマスの本』裏面のカレンダーでは、“※11月9日は、1973年にはじめて「汽車のえほん」シリーズが出版された日。”と記載されていますが、初版奥付には“1973年10月30日 印刷/1973年11月10日 発行©”と書かれています。
- ↑ 『トーマス大図鑑 2001』P87「汽車のえほん」に“※このシリーズは現在品切れです。”と記載あり。
- ↑ 復刊ドットコム『汽車のえほん』の登録日(2001/05/29)のskyskysky氏のコメントによれば、当時の品切れは《1〜7、9、10、15、22》巻の11冊。
- ↑ “ポプラ社新刊だより”. 2005年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ
- ↑ ポプラ社 2005年版『きかんしゃトーマスの本』には、「⑮ふたごの機関車(2006年1月刊行予定)」の横に“※以下続刊予定(刊行日は未定)”と記載されています。
外部リンク
- ポプラ社(旧版/新装版/ミニ新装版)
- 汽車のえほん - Wikipedia
- The Railway Series - Sodor Island Fansite (SiF)
- “オードリー一家のサイト(2004-2006)”. 2006年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ
- “オードリー一家のサイト(2007-2009)”. 2009年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ
- “The Real Lives of Thomas”. 2017年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ
- “Puff Puff Thomas!”. 2015年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ
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